後援:日本栄養士会・農林水産省


- 四方を山に囲まれた盆地という地理的条件下で生まれた、海産物の乾物を使用した郷土料理としての、成り立ちを伝えています。
- 比較的薄味の料理の、難易度の高い減塩に挑戦しています。
- 減塩の物足りなさを補うために、うま味調味料を活用する着眼点が良いと思います。
- 応募用紙のメッセージに郷土愛を感じました。


- うま味調味料は、最後に味を整えるときに使用しました。
- 【 結 果 】
- うま味調味料を加えることにより、醤油の風味をまろやかにする効果もあり、減塩による物足りなさをある程度補えることが分かりました。
- うま味調味料を加えることによって里芋の食感が柔らかくなりました。芋などのでんぷん質の野菜を調味する際には、うま味調味料を使用することにより、より柔らかいテクスチャーを感じさせる可能性が考えらえます。

- こづゆはもともと薄味の汁物であるため、風味のある醤油は減らさず、食塩を抜くことで、減塩しました。
- うま味調味料を使用することで、食感が変わると思われる里芋を、少し大きめにカットしました。

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材料名 *干しほたて貝柱 *きくらげ *干ししいたけ 里芋 にんじん 糸こんにゃく 水と*の戻し汁を
合せたものうま味調味料 濃口しょうゆ 酒 塩 豆麩 TOTAL 塩分 減塩率 -
【A伝統レシピ】 【B 減塩レシピ】 【C 減塩レシピ+うま味調味料】 配合 塩分 配合 塩分 配合 塩分 3g 0.2g 3g 0.2g 3g 0.2g 1.3g - 1.3g - 1.3g - 1.5g - 1.5g - 1.5g - 25g - 25g - 25g - 10g 0.01g 10g 0.01g 10g 0.01g 15g - 15g - 15g - 200g - 200g - 200g - - - - - 0.13g 0.04g 6g 0.9g 6g 0.9g 6g 0.9g 2g - 2g - 2g - 0.5g 0.5g - - - - 5g - 5g - 5g - 1.61g 1.11g 1.15g 31% 29%

- 干しほたて貝柱、きくらげ、干ししいたけは水で戻す。戻し汁は煮込み用にとっておく。
- 里芋は厚さ5mmのいちょう切りにし、塩ゆでにする。にんじんは厚さ2mmのいちょう切りにし、ゆでる。糸こんにゃくは食べやすい長さに切る。戻したほたて貝柱はほぐし、きくらげはひと口大に切り、干ししいたけは薄切りにする。
- 1の戻し汁に水を加え、2の具材を加えて煮る。具に火が通ったら、うま味調味料、しょうゆ、酒で味を調える。
- 水で戻した豆麩を加え、ひと煮立ちさせる。

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干し貝柱を利用するこづゆは、海から遠く山に囲まれた会津地方において、陸路が発達していなかった時代では海産物を食べることが出来る貴重な調理品でした。このように先人たちの知恵が活かされたこづゆは、歴史ある会津の土地に伝え継がれ、家族や親族で集い食されてきました。核家族化が進む現代において、こづゆは人々の集うきっかけとなる料理であり、後世にも伝えていきたいと強く思っています。
▲ 東京家政大学 TKKBの皆さん
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和食がユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、その和食の一つである郷土料理を後世に伝えていくことが必要であると思います。郷土料理はその土地に合った形で存在していますが、それを受け継いでいく為にも、時代や社会に合った形に見た目・味付けをアレンジすることにより、多くの人に受け入れられる調理法を提案することが重要になってくると思います。
その一つの手法として強いうま味を付与でき、手軽に塩分を減らすことが可能となる「うま味調味料」を郷土料理に利用することには意義があるように感じました。