後援:日本栄養士会・農林水産省


- 魚離れといわれる中で、魚を使った郷土料理を選んで取組み、次世代に伝えていくための新しい提案をしています。
- うま味調味料によって鮭のおいしさを引き出し、料理全体の味わいを向上させています。
- クリームチーズ、マッシュルームなどを使用し、流行のスキレット鍋に盛り付けるなど、工夫がみられ、若い世代に新たな伝統料理として受け入れられる可能性が高いと感じました。
- カフェでも出せそうな現代的なアレンジに興味をひかれました。


- 鮭の下味の食塩や、みそだれのみそ・しょうゆを減らし、うま味調味料を加えました。
- 【 結 果 】
- みそだれにうま味調味料を加えることで、みそを半量にしても、風味を維持できました。
- 鮭の下味にうま味調味料を加えることで、臭みを低減することができました。
- 鮭の食感については、圧倒的に、うま味調味料を使ったものがしっとりと仕上がりました。
- クリームチーズのコクを引き立たせることにも、うま味調味料が効果を発揮しました。
- 上記うま味調味料の効果により、料理全体をまとめ上げ、おいしく減塩することができました。

- 最後にのせるバターを、減塩のためにクリームチーズに変えました。
- 若い世代のニーズに合うよう、オリーブオイル、にんにく、きのこを使用し、話題のスキレット鍋も取り入れ、洋風かつオシャレにアレンジしました。
- 鮭のオレンジを際立たせるため、野菜類は色味を抑え、クリームチーズの白、こしょうの黒、レモンの黄でメリハリをつけました。
- 鮭をはじめ、たまねぎ、きのこ、クリームチーズと北海道の良さがまるごと味わえるように工夫しました。

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材料名 鮭 塩 こしょう うま味調味料
(下味用)玉ねぎ マッシュルーム まいたけ エリンギ にんにく薄切り オリーブオイル みそ 酒 濃口しょうゆ うま味調味料
(みそだれ用)クリームチーズ 粗びき黒こしょう レモンくし切り TOTAL 塩分 減塩率 -
【A伝統レシピ】 【B 減塩レシピ】 【C 減塩レシピ+うま味調味料】 配合 塩分 配合 塩分 配合 塩分 80g 0.14g 80g 0.14g 80g 0.14g 0.5g 0.5g 0.5g 0.3g 0.5g 0.3g 少々 - 少々 - 少々 - - - - - 0.2g 0.06g 70g - 70g - 70g - 40g - 40g - 40g - 40g - 40g - 40g - 40g - 40g - 40g - 5g - 5g - 5g - 7g - 7g - 7g - 8g 1g 4g 0.5g 4g 0.5g 5g - 5g - 5g - 2g 0.3g 2g 0.3g 2g 0.3g - - - - 0.3g 0.09g 20g 0.13g 20g 0.13g 20g 0.13g 少々 - 少々 - 少々 - 1切れ - 1切れ - 1切れ - 2.07g 1.37g 1.52g 34% 27%

- 鮭に塩、うま味調味料、こしょうで下味をつける。
- 玉ねぎは薄切りにし、マッシュルームはタテ4等分に切り、まいたけは食べやすい大きさに手でほぐす。エリンギは長さを5cmにしてから薄切りにする。
- みそ、酒、しょうゆ、うま味調味料を混ぜ、合わせみそを作る。
- フライパンを熱し、オリーブオイルを入れ、にんにくを加え、香りをつける。
- 鮭は皮を下にして入れ、焼き色がつくまで焼き、裏に返し、周りに玉ねぎとマッシュルーム、まいたけ、エリンギを並べ、3の合わせみそをかける。
- フタをして5分ほど蒸し焼きにする。
- スキレット鍋に盛り付け、クリームチーズをのせ、黒こしょうをふり、レモンを添える。

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魚離れといわれるこの時代において、古くから愛されている鮭を、郷土料理とともに次世代に伝承していきたいと思いました。鮭のちゃんちゃん焼きは、鮭のたんぱく質、野菜のビタミンや食物繊維、みそ等の調味料の電解質、といった多くの栄養を一度に摂ることができます。この料理には、その作りやすさと、普段は台所に立たないお父さんが豪快に調理し、大きな鉄板をみんなでわいわい囲んで食べる家庭的なあたたかさに魅力があります。
▲ 酪農学園大学ちゃんちゃんちゃんの会の皆さん
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伝統的食材でありながら若者に敬遠されがちな魚といった食材も、生臭さをうま味調味料で軽減したり、次世代のニーズに合わせた形態をとるなど工夫することが、積極的に美味しく食べてもらえるきっかけになり得ると思われます。こうした工夫は、郷土料理を食べたくとも食塩相当量の多さが気になる人、高血圧などの生活習慣病を予防したい人、減塩を指導されている人、魚に抵抗のある人、新感覚のレシピを取り入れたい人など、老若男女を問わずあらゆる人々を対象に応用できると考えます。
手軽に取り入れられるうま味調味料を活用したレシピを提案することは、郷土料理の伝承や衰退の阻止、地域特有の食という財産を認識できる可能性を感じました。