• 伝承性
  • 秋田の代表的な郷土料理であるだまこ鍋を、だまこ、具材、スープにおいてうま味調味料を使用して全体として減塩した点。（長野県立大学 健康発達学部食健康学科 中澤弥子先生）
  • きりたんぽと並んで親しまれる秋田の郷土料理であることがよくわかる。（東京聖栄大学 健康栄養学部食品学科 准教授 福留奈美先生）
  • きりたんぽ鍋との違い、自身が感じたこの料理の魅力が良く伝わるレポートだと感じる。主材料はいじらずに、調味料のくふうだけでおいしい減塩を実現していて伝統にも忠実である点。（女子栄養大学出版部「栄養と料理」浜岡さおり編集長）
  • 今も家庭で食べ続けている郷土鍋なので、減塩でヘルシーにすることの意義を感じる。地元のお米への愛も、しっかり届いた。（（株）NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」米村 望編集長）
  • 「だまこ鍋は全国的には知られる機会が少なく、知名度が低く感じます。」とありましたが、給食にも出るのに、きりたんぽより知名度が低いとは。串を使わないという点では家庭での伝承性が高く、よい視点だと思います。（㈱オレンジページ 「オレンジページ」 松田紀子編集長）
• 新世代へのフィット感
  • 魚の代わりに鶏が使われるようになった。（日本栄養士会会長 神奈川県立保健福祉大学学長 中村丁次先生）
  • だまこをすり鉢の代りにビニール袋に入れてつぶし、しいたけの軸を使って、食品ロスを減らす点。（中澤弥子先生）
  • 家庭でも、子どもでも、作り手として関わりやすいだまこ汁の良さが伝わってくる。作ってみたくなった。（福留奈美先生）
  • すり鉢が家にない家庭も多いので、袋に入れてつぶす方法の提案は新世代にも受け入れやすいと考えられる。（浜岡さおり編集長）
  • 「だまこ」は「きりたんぽ」と違い、「丸い形・串を使わない・焼いていないため家庭でも作りやすい」というコメントは、なるほどと思った。「きりたんぽ鍋」の強みは、「比内地鶏」というブランドにもあるので、「だまこ」以外の魅力的なもうひとつの具材が加わると、さらによくなるように感じた。（米村望編集長）
  • 「家族が全員集まる時やお正月に食べることが多く、おばあちゃんと一緒に作る家族との交流の場でもあると話してくれました。他にも、だまこときりたんぽを一緒に入れて作ったり、だまことうどんを一緒に入れて食べるなどそれぞれの家庭の話で盛り上がりました」という一文がありましたが、失われつつ家族や親族の団欒に一役買う郷土料理の魅力に気付かされました。（松田紀子編集長）
• うま味調味料の活用度
  • うま味と鶏がらのだしがミックスされ、おいしさが増している。（中村丁次先生）
  • 鶏肉のくさみについて、うま味調味料の添加の効果が明らかに示されている。（中澤弥子先生）
  • 米には高核酸系、肉には低核酸系など、使い分けがよく考えられている。（福留奈美先生）
  • 米飯に、だしとりに、食材のくさみとりや味わいを高めるためにと多様な活用が見られる。（浜岡さおり編集長）
  • うま味調味料の使い分けと使うタイミングが見事。応用が効きそうな提案が素晴らしかった。（米村望編集長）
  • 米には高核酸系、肉には低核酸系など、うま味調味料の使い分けがよく考えられている。（松田紀子編集長）
• 受賞作品の特徴
  • だまこ鍋を減塩してうま味調味料でおいしく減塩するレシピを提案した点、だまこを一緒に作る楽しさや家庭の味について記載されていた点（中澤弥子先生）
  • お米の魅力の伝承。作る楽しみを味わえそうなところ。食材をむだなく使うくふう。（浜岡さおり編集長）
  • 敵？に塩ならぬ減塩を送ることになるけど、「きりたんぽ鍋」の減塩にも応用できそう。（米村望編集長）
  • 地元の人にしかわからないこの料理の良さ、親密性があるのだと思う。給食メニューにも取り入れやすそうなので、沖縄のゴーヤチャンプルのように、岐阜の鶏ちゃんも注目されるといい。（松田紀子編集長）

※うま味調味料は、低核酸系うま味調味料と、高核酸系うま味調味料とを使い分けた。

1. 米は高核酸系うま味調味料（A)をふり、通常の水分量よりも1割程度少なめにして心持ちかために炊き、熱いうちに袋に入れてめん棒でつぶす。※精白米が２合より少し多いので、水の線は2合に合わせると良い。
2. Aで塩水を作り、手をくぐらせて①をピンポン球くらいの大きさに丸める。
3. 沸騰した湯に鰹節を入れてだしをとる。鶏がらに低核酸系 うま味調味料(B)をもみ込み、水から入れてだしをとる。（しいたけの軸も入れてだしをとる。）
4. 鶏肉はひと口大に切り、低核酸系 うま味調味料(C)をまぶしもみ込む。
5. ごぼうはささがきにし、せりは４～５㎝に切る。
6. 糸こんにゃくは食べやすい長さに切り、高核酸系 うま味調味料(D)をまぶし、もみ込む。
7. まいたけは手で裂く。しいたけは軸を切り、４等分にする。（しいたけの軸は③鶏がらのだしをとる時に入れる。）
8. ねぎは１～２㎝厚さの斜め切りにする。
9. ③の２つのだしを合わせ、醤油、味噌、みりんを入れてスープを作る。
10. 鶏肉、ごぼう、糸こんにゃく、まいたけ、しいたけ、を入れて煮る。
11. 鶏肉が煮えたら、②のだまこ、せり、ねぎを入れて、ひと煮立ちさせて盛りつける。

〈伝統レシピの調理手順〉
①米は心持ち固めに炊き、熱いうちにすり鉢でよくつぶす。
②ピンポン球くらいの大きさに丸め、塩水にさっと入れる。
⑦伝統的な作り方ではしいたけの軸は使わない。