うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

テーマ

郷土料理、減塩

2023年03月31日 UP

食塩相当量(1人分)

0.9g 減塩率31%(対伝統レシピ)

うま味調味料ポイント!

• タレにうま味調味料を使うことで、鶏肉のうま味を高め、減塩によって味気なくなるのを防ぎました。
• キャベツにうま味調味料を使うことで、特有の青臭さを軽減させました。
• ピーマンにうま味調味料を使うことで苦味を軽減させました。

◉第7回「うま味調味料活用! 郷土料理コンテスト」2022 準優賞

チーム:だがやがやがや

所属 :名古屋市立大学 薬学部薬学科5年

審査員コメント・受賞チームの味覚評価結果はコチラ

材料2人分

〈下味冷凍 ※「下味冷凍」分のみ、ストックしやすい4人分の分量で作る。〉

  • 鶏むね肉

    200g

  • 玉ねぎ

    100g

  • 味噌(麦みそと米みその合わせみそ・入手しやすい味噌で代替可)

    大さじ1・1/3弱

  • 醤油

    小さじ2/3

  • 小さじ1/2強

  • すりおろしにんにく

    6g

  • 高核酸系うま味調味料(A)

    4ふり

〈その他〉

  • 人参

    20g

  • ピーマン

    10g

  • キャベツ

    100g

  • 高核酸系うま味調味料(B)

    2ふり

  • 小さじ2/3

作り方

  1. チャック付きポリ袋に、味噌、醤油、酒、すりおろしにんにく、高核酸系うま味調味料(A)を入れる。さらに、ひと口大にカットした鶏肉、薄切りにした玉ねぎを加え、軽くもんだ後、平らにならし、袋を縦半分に折りたたんで冷凍する。
    ※半分に折りたたんで冷凍すると、「下味冷凍」した鶏むね肉が、2人分×2回分ストックできる。

  2. ①で「下味冷凍」した鶏むね肉の半分(2人分)を、調理する前日に冷蔵庫に移し、ひと晩かけて解凍する(急ぐ場合はポリ袋に入れて流水解凍可)。人参は短冊切り、ピーマンは細切り、キャベツはザク切りにする。ピーマンとキャベツには高核酸系うま味調味料(B)をふり、軽く混ぜなじませておく。

  3. フライパンを熱して油をひき、②の解凍した鶏肉と玉ねぎを入れ、中火で炒める。

  4. 鶏肉の表面に火が通ったら人参を入れる。

  5. 人参に火が通ったら他の野菜を加え、強火にしてキャベツがしんなりするまで素早く炒める。

     

    【伝統レシピの調理手順】
    ※調理手順1で、玉ねぎを入れない。冷凍しない。

岐阜の郷土料理「鶏ちゃん」の特徴 (応募レポートより)

●地域
岐阜県:下呂市、郡上市

●食べる機会
鶏ちゃんは食肉が貴重だった頃は、大切なお客さんが来た時や、親戚が集まるお盆や正月などに食べる特別な料理でした。それゆえに、日々の疲れを「食の笑い」で癒す「結いの料理」として知られています。
現在では手に入りやすい食材や調味料で作れる料理として、家庭や多くの飲食店で楽しむことができます。実際に私たち(岐阜県出身・愛知県出身)も、幼い頃から夜ご飯に出てきた家庭の味で、今でも食べ続けている郷土料理です。

●由来
昭和30年代に下呂や郡上などの飲食店や精肉店で鶏ちゃんの販売が始まりました。これには、下呂や郡上の産業と当時の社会的な背景が深くかかわってきます。

まず下呂では採卵鶏の養鶏が始まり、千羽単位での養鶏場ができ始めました。そのうち、毎日数羽単位で卵を産まなくなる鶏「廃鶏」が出るようになり、これを有効利用する目的で鶏ちゃんができ始めます。郡上では戦後、羊の畜産を奨励し、ジンギスカンとして売り出されていました。そして昭和30年代に羊の飼育が衰退した後、養鶏が広がるに至って、羊肉を鶏肉に代え、ジンギスカン鍋を用いて廃鶏に味をつけて食べるようになりました。また同時期に下呂や郡上では伊勢湾台風の復旧や大型ダムの公共工事などで労働者が増加し、飲食店も多くできます。そこで労働者のアドバイスもあり、ホルモン料理の味付けをした鶏料理である鶏ちゃんが飲食店のメニューとして開発され、販売が開始しました。

昭和40年代には鶏肉の価格が低下したことを背景に鶏ちゃんが急速に普及し始めます。またこのころでは真空冷凍パックの鶏ちゃんが開発され、下呂や郡上以外の鶏ちゃん文化がなかった土地でも普及しました。さらにその土地でも独自に鶏ちゃんが開発され、さらなる普及が進みました。

平成に入ると名古屋などの都市部でも下呂や郡上出身の方々がお店を開くなどして鶏ちゃんが知られていきます。ここでは都市部の客の好みに合わせてタレにとろみをつけ、タレの多いものに変遷しています。現在では岐阜の郷土料理として広く知られ各家庭でも手軽に楽しめる料理として親しまれています。

鶏ちゃんの名称の由来としては味付けのもととなったホルモン料理である「とんちゃん」が由来になったとされています。とんちゃんの「ちゃん」は「臓」を意味するという説や「醤」を意味するという説があります。

●食材
鶏、キャベツ、味噌

●参考資料
・鶏ちゃん合衆国
・農林水産省 うちの郷土料理 鶏ちゃん(岐阜県)