うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

乾燥そら豆で作るしょうゆ豆は普通の煮豆と違い、炒ってから煮ることで、口の中でポロッと砕ける食感が楽しめる料理です。豆の香ばしさと醤油の風味が良く、低脂肪で、食物性タンパク質やミネラルを豊富に含み、栄養的にも優れています。
しかし、家庭から焙烙やかまどが姿を消し、調理が難しくなったことや、味付けが濃く塩分濃度が高いことから、しだいに敬遠されるようになってきました。
美味しく減塩し、調理するポイントを押さえることで、世代を問わずに好まれるしょうゆ豆をつくり、次世代へ伝えていきたいです。

冷蔵庫やエアコンのない時代に、保存食として工夫して作られ続けてきたしょうゆ豆は、糖分、塩分ともにやや高く味が濃い郷土料理です。それを美味しいと感じ食べ慣れてきた私たちですが、健康維持のためにも、時代に合わせて作り方や味を変えていかなければいけないと感じていました。そこで、うま味調味料を活用することによって、美味しく減塩することができました。
「不易と流行」の言葉通り、変えてはいけないこと、変えなければいけないことを取り入れ、うま味調味料の活用で、よりよい形で未来の子どもたちに香川の郷土料理を残していくことができると確信しています。

  • しょうゆ豆は家庭で常備食として食べられるばかりでなく、香川県内の飲食店でもメューにあり、ほとんどの観光客が目にする郷土料理である。土産にもなっており、県外でも認知される可能性のある郷土料理である。そらまめもしょうゆも県内産ということで、食材がほぼ地産地消であること。(鎌倉女子大学 中谷弥栄子先生)
  • 減塩した塩水を調理過程で捨て、しょうゆや砂糖を減らし、うま味調味料や生姜汁を加えておいしく減塩している。(長野県立大学 中澤弥子先生)
  • 地域独特の料理であることが伝わってくる。常備食ということで身近なだけに、減塩に取り組むことで健康への寄与度が期待できる。(女子栄養大学出版部「栄養と料理」浜岡さおり編集長)
  • 地域に特化した食材を使った郷土料理。それを現代的にアレンジする必要性を感じている。(㈱NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」米村望編集長)
  • 乾燥したそら豆を使い、甘辛しょうゆ味をなじませる、というシンプルな製法を忠実に再現している。(㈱オレンジページ「オレンジページCooking」藤井裕子編集長)
  • 焙烙がなくとも、フライパンやスキレット、オーブンで乾燥ソラマメをいることが出来る。子どもでも食べられるように、唐辛子で風味を追加するのではなく、しょうがを使っている。うま味調味料を使用することで、だし汁を引く手間がかからず、おいしさは担保されている。(中谷先生)
  • もともとシンプルな料理ではあるが現代では手間と思われる工程を省き、現代の台所で作りやすく核家族に合った工夫、健康問題の解決にも配慮されている。実践しやすそう。温故知新。(浜岡編集長)
  • 現代の家庭でもつくれるレシピを意識。また豆と相性のよいしょうがを加えるなどの工夫もある。(米村編集長)
  • しょうゆ、砂糖を減らしてカロリーダウンし、ヘルシーにしている。甘辛味にしょうがをたす、というのは、味の想像がつきやすく、万人に受け入れられやすいアクセントのつけ方。おつまみ、お茶請けとしての立ち位置なので、食頻度を上げるための工夫が必要なメニューかもしれない。(藤井編集長)
  • シンプルな料理だが、豆料理の普及に優れている。(日本栄養士会会長 中村丁次先生)
  • つけ込み液にうま味調味料を使用したことにより、まろやかさが引き出せたうえ豆のホクホク感も変わらなかった。薄味を補うためにしょうがを加えた点。(中谷先生)
  • 味のバランスを考えて、塩分、糖分を減らし、うま味調味料を加えておいしくできる条件を検討した点がすばらしい。(中澤先生)
  • うま味調味料の利点を生かした効果的な活用法が提案されている。減塩率が高い。(浜岡編集長)
  • 減塩すると同時に砂糖も減らし、味のバランスを保っている。減じた結果、物足りなくなったコクをうま味調味料で補っている。シンプルだが、正攻法の工夫をしている。(米村編集長)
  • 塩けも甘みも減らし、全体的に物足りなくなってしまうところを、うま味調味料で整えている。(藤井編集長)

  • 炒った豆をつけ込む塩水に使用する塩と、しょうゆを減らして、うま味調味料を加えた。特に、最初のつけ込みに使う塩は、1人分1.4gから0.3gと大幅に減量した。
  • しょうゆ豆はシンプルな料理なので、減塩のためにしょうゆを減らすと、味の物足りなさを感じたが、うま味調味料を活用することで、味の深みやまろやかさを付与することができた。

  • 出汁をひくには、煮干しや昆布、鰹節を使うのが一般的であるが、うま味調味料を使うと、本来出汁を使わない料理でも、簡単にうま味を加えることができ、簡単に美味しくなって便利である。

  • 昔は焙烙でソラマメを炒っていたが今は家庭にないので、フライパンやスキレット、オーブンを使うことが可能であることを確かめた。
  • 減塩すると薄味になるので、美味しくするために、生姜を加えて風味を増すように工夫した。
  • 生姜の風味を消さないように、生姜は2度目の火入れのときに加えた。
  • ソラマメを煮るときに、乾燥ソラマメを浸けていた塩水を一部捨てるため、その分の塩分を差し引いて塩分計算をした。
  • 伝統的なレシピの中には、唐辛子を使うものもあったが、生姜に変えることで、小さな子どもにも安心して食べさせることができるように工夫した。
  • カロリーを減らすために、砂糖の量も減らしたのでヘルシーである。   
  • 生活習慣病が増えている現代では、減塩や甘さ控えめな料理は、健康寿命を延ばすためにも不可欠である。食べたもので体が作られることを、もっと次世代に伝えていきたい。

A
伝統レシピ
(1人分)
B
減塩レシピ
(1人分)
C
<うま味調味料活用>
減塩レシピ
(1人分)
C
<うま味調味料活用>
減塩レシピ
作りやすい分量
(10食分)
材料名 配合 塩分 配合 塩分 配合 塩分 配合
乾燥ソラマメ 20g(10個) 20g(10個) 20g(10個) 200g(100個)
1.4g 1.4g 0.3g 0.3g 0.3g 0.3g 3g
水(ソラマメを浸ける塩水用) 54g 54g 54g 540g(540cc)
15g 15g 15g 150g(150cc)
しょうゆ 4.9g 0.7g 3.7g 0.5g 3.7g 0.5g 37g(大さじ2)
砂糖 15g 10g 10g 100g
生姜の絞り汁 0.5g 0.5g 5g
うま味調味料 0.1g 0.03g 1g
捨てる塩水の塩分* -0.5g -0.1g -0.1g
TOTAL塩分 1.6g 0.7g 0.7g
減塩率 56% 54%

*ソラマメを煮るときに、捨てる塩水の塩分を差し引いて計算。

※上記の表は左へスワイプしてご覧ください。

※ ②③の塩水や水の分量は、<作りやすい分量(10食分)>で作る場合の量で記載。

  1. 乾燥ソラマメをフライパンに入れて、中火で30分ほどていねいに炒る。
    スキレットやオーブンを使用してもよい(オーブンの場合、190~200℃で約20分焼く)。
  2. 塩3gを水540mlに溶かし、炒ったソラマメを熱いうちに入れて、室温で一晩浸ける(8時間以上)。
  3. ❷から塩水を180ml捨てて、鍋に入れ、水150mlを足して、中火にかける。
  4. 沸騰したら、生姜の絞り汁以外の調味料を、豆の上にのせるようにそっと振りかけて、ふたをして、弱火で煮くずれないように10分煮、そのまま冷ます。
  5. 冷めたら、ソラマメがくずれないよう、ふたをしたまま鍋を上下に軽く揺することで、煮汁の対流によって、しずかに豆を混ぜる。
  6. 生姜汁を加えて再び中火にかけ、沸騰したら弱火にして、約10分煮て火を止める。蓋を開けずにそのまま冷ます。