うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

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郷土料理は、その地で育まれた生活、文化、さらに風土に影響されながら、その地で生産される食材を工夫して、長い時間をかけて創作されたものです。従って、自然と融合し、多くの人々から愛され、誰もができる、持続可能な料理として伝えられています。このことは、まさにSDGsの精神、そのものなのです。近代の合理的生活は、このような大切な郷土料理の継続を阻害し、消えかけているものもあります。これから大切な郷土料理を表舞台に立たせて、持続可能なものにするには、郷土料理が持つ文化的価値と同時に、人々の健康づくりにも貢献できることを検証してく必要があります。
このコンテストを通じて、それぞれの地域における環境、文化を包含した新たな郷土料理が創設されることを願っています。

4年目となるコンテストは、郷土料理の枠を超えて広域で食べられているものから受賞を通じて認知度が高まることを期待する郷土料理もありました。下処理だけではなくまろやかな味わいに仕上げる行程までこれまで以上に様々な形でうま味調味料が活用され、おいしく減塩するための工夫がされていました。2種類のうま味調味料の特性を活かし使い分けた料理も登場しました。伝承野菜を積極的に使用したこだわりの郷土料理がある一方で、昔ながらの調理器具が家庭になくても材料を選択することで一手間省いた料理もありました。今後もコンテストを通じて郷土料理が時代のニーズに即応し、より良い形で伝承されていくことを期待します。

採点基準を重視し、丁寧にまとめられている応募レポートを拝見し、チームで協力して試行錯誤された様子が推察され、感心しながら審査させていただきました。優勝レシピの「五平餅」には、炊飯時にうま味調味料を使用してご飯の甘味やうま味を引き出し美味しくする手軽に実践できるアイデアが提案され、他のご飯料理にも広く応用できる興味深い活用方法だと思いました。その他にも、下ごしらえや下味などに活用し、おいしい減塩を実現する多彩なアイデアが提案されていました。コンテストを契機に、これらのうま味調味料を活用した減塩のアイデアと共に健康に配慮した郷土料理が普及されることを期待します。

気候変動や食のグローバル化が進む中、地産の食材を使い、限られたルートで伝承されていた「郷土料理」は、意識しなければ残していけない状況に置かれています。そんな中、本コンテストに関心を持ち、応募された皆さんの意識の高さと作品のユニークさに感銘を受けました。優勝した「五平餅」は伝統料理の研究もさることながら、現代の食生活の課題をていねいに拾い上げたアレンジが秀逸でした。また、準優勝の「グー汁」からは、昔ながらの健康に役立つ料理を残していきたいという思いが強く伝わってきました。今後もこのような機会を通じて、未来につながる郷土料理を知ることができたら嬉しく思います。

回を重ねるごとに応募数が増え、郷土料理と減塩をテーマにしたこのコンテストが日本中に知られることは、大変有意義であると思います。今回は、うま味調味料の使い方が幅広くなった印象を持ちました。塩の代用として食材の臭み消し、下味、下ゆでに活用する工夫が多くの作品に見受けられました。食材のうま味を補う以外にも、まだまだ調理に生かせることを実証しています。また、電子レンジやミキサーなどの便利調理機器を上手に使っている点も見逃せません。うま味調味料で減塩し、よりおいしく、よりつくりやすくなり、郷土料理が身近な食べ物として食べ継がれることを期待します。

今回、初めて審査に参加させていただきました。うま味調味料とは、「料理に手軽にうま味をプラスするもの」という認識でおりましたが、これほどまでに調理の可能性を広げ、減塩に有効なアイテムであったことに驚きました。郷土料理を伝え残していくには、現代人にとって無理なく作りやすいこと、そして継続して親しんでいくには、何より味がよいことが求められます。応募作品のすべてに、そのエッセンスがぎゅっと詰められていたと感じました。まだまだ日本には地域に根ざしたすばらしい料理がありますので、うま味調味料の活用とみなさまのアイデアで、さらに全国に広めていただきたいと思います。ありがとうございました。