うま味調味料のことなら、ここにおまかせ 日本うま味調味料協会

Ririkaru*Kitchen〜琉球

「グー汁」は沖縄の代表的な汁料理の「中味汁」や「ソーキ汁」とは違い、知る方も、頂いたことのある方も少ないのではないかと思います。私自身も琉球料理を学ぶようになり、初めて作り方を教わり、頂きました。
沖縄は昔から大豆を使った料理が多く、「島豆腐」「ゆし豆腐」「オカライリチー」など、大豆は沖縄の食文化には欠かせないものです。そのひとつとして「グー汁」があります。具材を一切入れずに作る調理法もあり、昔から食欲のない方やお年寄りは栄養源として頂いていたそうです。
「うま味」を利用して塩分を抑え、さらに美味しく健康的に食べられることで、琉球料理を見直すきっかけになればうれしいです。

今年「琉球」「組踊」「泡盛」が日本遺産に登録されました。私達の沖縄の伝統文化が認められ、各地から注目され、とても誇らしく、喜ばしい出来事です!しかしその一方で地元の人の琉球料理離れもあります。手間のかかる琉球料理は家庭で作る事も食べる事も減り、その結果食べ慣れない琉球料理が給食に出る時は残量が多くなるそうです。また、これまで長寿県をキープしていた沖縄県ですが、食生活の乱れから、生活習慣病、肥満の増加で健康面にかなり問題があります。毎日、昔ながらの食生活を実践するのは難しいことだと思いますが、少しでも琉球料理の素晴らしさを知り、取り入れられたらと思います。
今回「うま味」を利用したいろいろな調理法を試し比較して、「うま味の持つ力」を実感することが出来ました。干ししいたけの戻し汁や出汁に使うと素材のうま味が引き立ち、豚肉は柔らかくなりました。また味にコクと深みが出てよりおいしい料理になり、とても有効に活用することができました。
沖縄の方言で「あじくーたー」という言葉があります。「味が濃い」と勘違いされることがありますが、鰹、豚、昆布でしっかりと出汁がきき、素材のうま味をたっぷりと含んだ深い味わいの事を意味します。鰹出汁の「イノシン酸」、干ししいたけの「グアニル酸」、お味噌の「グルタミン酸」、そしてうま味調味料を利用したグー汁はまさに「あじくーたー」!「うま味」を上手に活用し、減塩で健康的なこの「あじくーたー琉球料理」をたくさんの方に食べて頂き、美味しさや素晴らしさを伝えていけたらと思います。

  • 栄養豊富な汁であり、健康に寄与する郷土料理としての魅力があります。沖縄料理の中ではあまり認知されていないということですが、コンテストを通じて認知されていくことを期待します。
  • うま味のある食材が多く入る、うま味を味わう料理。温かいものだけでなく、冷製の汁としても食べられ、季節に応じておいしく食べることができることも魅力の一つです。
  • 加工品(大豆の水煮)の活用や、ミキサーの活用といった時短調理のアドバイスによって、家庭で再現しやすく、次世代にも受け入れられやすくなった点が評価できます。
  • うま味調味料の使用により大豆の臭みが抑えられて、味がまろやかになり、食べやすくなったことや、うま味のある食材が多く入る点は、次世代の若者に訴えるメリットと考えます。
  • うま味調味料を、食材の下ごしらえで豚肉をゆでるときや干ししいたけを戻すときに加え、汁の仕上げの調味にも使用。ほどよくうま味調味料を活用することによっておいしく減塩でき、味覚評価で高得点を達成している点が素晴らしいです。

  • 豚三枚肉のゆでるときと、干ししいたけをもどすときにうま味調味料を加え、うま味の相乗効果を利用して食材のおいしさを引き出しました(うま味成分の掛け合わせにより食材のうま味を強める:うま味調味料のグルタミン酸×豚肉のイノシン酸、干ししいたけのグアニル酸)。
  • 仕上げに塩を使わず、うま味調味料を加えて味を調えました。
  • うま味調味料を加えることにより、白みその分量を30%減らすことができました。
  • かつおだし(イノシン酸)、しいたけ(グアニル酸)、みそ(グルタミン酸)、うま味調味料(グルタミン酸)を組み合わせ、「うま味」の相乗効果でおいしく減塩!

  • 食材の下ごしらえにうま味調味料を加えるだけの簡単な手間で味がグンと引き立ち美味しさが増しました!手軽な方法なので料理初心者でも実践しやすいと思います。
  • また、下ごしらえにうま味調味料を使用したことにより、食材だけでなく、干ししいたけのもどし汁、豚肉のゆで汁もとても美味しく、まろやかな味に仕上がるので、「だし」として他のお料理に減塩用途などで有効利用することができます。
  • うま味調味料を使うことにより、大豆特有の臭みが消え、味がとてもまろやかになり、飲みやすくなりました。大豆を全て利用しているので、豆腐や豆乳より栄養価が高いです。

  • 具なしで作る場合は冷製でも美味しく頂けます。
  • 今回は乾燥大豆を一晩水に浸して皮をむき調理しましたが、「大豆の水煮」を利用すると、すぐに調理でき、煮込む時間も短く仕上げられ、時短になります。

A
伝統レシピ
B
減塩レシピ
C
<うま味調味料活用>減塩レシピ
材料名 配合 塩分 配合 塩分 配合 塩分
大豆(乾燥) 20g 0.2g 20g 0.2g 20g 0.2g
水(乾燥大豆水戻し用) 適量 適量 適量
150~200g 150~200g 150~200g
豚三枚肉 10g 10g 10g
うま味調味料(A) 0.08g 0.023g
干ししいたけ 5g 5g 5g
うま味調味料(B) 0.08g 0.023g
薄揚げ 6g 6g 6g
カステラかまぼこ 15g 0.1g 15g 0.1g 15g 0.1g
かつおだし 250g 250g 250g
白みそ 18g 1.08g 12.5g 0.75 12.5g 0.75
0.2g 0.2g
うま味調味料(C) 0.1g 0.03g
小ねぎ(小口切り) 適量 適量 適量
TOTAL塩分 1.58g 1.05g 1.126g
減塩率 34% 29%

  1. 大豆は洗って、たっぷりの水(分量外)に浸し、一晩つけておく。
  2. 豚三枚肉はうま味調味料(A)を加えた水で茹で、干ししいたけはうま味調味料(B)を入れた水で戻し、薄揚げは熱湯を回しかけて油抜きする。全ての具材を大きさを揃えて細めの短冊切りにする。
  3. ❶の大豆は皮をむき、ミキサーに入れ、水を少しずつ加えながら、つぶのないなめらかな状態になるまでよく攪拌する。
    ※初めから分量の水を全て入れてしまうと、なかなか滑らかにならないので、最初は少量の水を加えて攪拌し、様子を見ながら水を足していく(加える水の最大量が150~200cc)。
  4. ❸と豚肉、しいたけを鍋に入れ、かつおだしを加え 、アクを取りながら、弱めの中火で約20分煮る。
    ※火を弱め過ぎず、ポコポコと表面が動く程度の火加減で煮る。
    ※アクを取りながら煮て、大豆臭さを取り除く。
  5. 白みそを溶き入れ、薄揚げ、カステラかまぼこも加え、ひと煮立ちさせ、うま味調味料(C)を加え味を調える。
  6. 器に盛り、小ねぎを散らす。