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郷土の味をひきたてる〜うま味〜 おいしく減塩 第8回郷土料理コンテスト2024
結果発表

表彰式

12月21日、第9回「うま味調味料活用
郷土料理コンテスト」2024表彰式が
実施されました。
今年も味の素グループうま味体験館を
会場とし、オンラインにて各地域と
結びお祝いしました。
審査員長の中村丁次先生より、
各チームへの表彰状授与の他、
受賞者による熱いプレゼンテーション
が繰り広げられました。

表彰式関係者メンバー
前列左より: 優勝チーム「レディーブロッサム」の皆様、日本うま味調味料協会 会長 倉島薫、日本栄養士会 代表理事会長 中村丁次先生、準優勝チーム「コイクイーン」の皆様
中列左より: アレンジ賞チーム「アラフォー専門学生!」の皆様、審査員の先生方、農林水産省 新事業・食品産業部 食品製造課 係長 篠崎歩様、課長補佐 春山智紀様、料理研究家 渡辺あきこ様、ほりえさちこ様
後列: うま味くん、日本うま味調味料協会メンバー
後方スクリーン: オンライン参加の皆様
優勝メンバー
表彰状授与 優勝:レディーブロッサム
社会福祉法人秀峰会 特別養護老人ホーム さくら苑
準優勝メンバー
表彰状授与 準優勝:コイクイーン
長野県立大学 健康発達学部 食健康学科 調理学ゼミ

表彰式の様子

受賞者のプレゼンの様子

優勝

レディーブロッサム

社会福祉法人秀峰会 特別養護老人ホーム
さくら苑

青森県三戸郡 ひっつみ汁(青森県)

67%減塩

COMMENT

東京聖栄大学
健康栄養学部
食品学科 教授

福留奈美先生

郷土料理の背景にあるストーリーや、「三戸郡 ひっつみ汁」が持っている魅力を十分に感じることのできる提案でした。香りを生かす素材は残しつつ、うま味調味料で置き換えられるところに上手に使い、コンテストが目指している素材の風味を生かしたやさしい味わいに仕上がっていて、とてもおいしかったです。皆さんで何度も味覚評価会を開かれ味を検証されたレシピということで、その信頼性の高さも評価につながったと思います。
これからどんな風にこのレシピが地域で展開されていくのか、楽しみにしています。

準優勝

コイクイーン

長野県立大学 健康発達学部 食健康学科
調理学ゼミ

鯉こく(長野県)

43%減塩

COMMENT

東北大学大学院
文学研究科
心理学研究室
教授・うま味研究会
会長

坂井信之先生

「鯉はおいしくないのでは」という勝手な思い込みがあったのですが、試食をして、「えっ、これが鯉なの?」と考えを改めました。今回の鯉こくは思い込みを覆すパフォーマンスを持っており、この「おいしさ」で全てを乗り越えられる可能性があると思いました。今回の取組みを通して、実際に栄養管理の現場に出られたときに非常に役立つ技術を身につけられたのではないかと思います。
今後もこのような試みをたくさんしていただき、より健康で、おいしく、懐かしい、そういう食べ物を作っていってほしいと思います。

郷土愛賞

秋田栄養短期大学
田中ゼミナール

サメの納豆汁(秋田県)

56%減塩

COMMENT

女子栄養大学出版部
「栄養と料理」

浜岡さおり編集長

県北独特のサメを使う納豆汁を、お正月に食べるという皆さんの記憶とともに掘り起こし、郷土の食品である粉末の納豆と納豆のおせんべいを用いて思い切ったアレンジをされました。その郷土愛と、創造性の高さ面白い着眼点手軽に食べられるところは、アピールポイントになると思います。味だけでなく食感や音を楽しめるという点や、見た目がちょっと派手になっているという点も今っぽいと思いました。
今後もぜひ皆さん、楽しみながら新しいレシピを伝えていっていただけたらと思います。

減塩サクセス賞

福山の倹約家

九州大学経済学部 3年(親子)

福山鯛うずみ(広島県)

69%減塩

COMMENT

 

(公社)日本栄養士会
代表理事会長

中村丁次先生

江戸時代の倹約政治の中で、贅沢な食材をご飯に埋めて隠しながら食べたとのこと。どのような世でも庶民のささやかな願いは隠れた中で広まっていくのでしょう。そしてこのユニークな料理を、鯛の下味などの調味にうま味調味料を活用して、なんと69%も減塩。これは専門家から見ても驚異的な減塩率です。
減塩食の中に、「うずみ」の魅力である“ご飯の中から宝物を探すようなワクワク感”を加えていく、これはまさに伝統的かつ健康に良い食事のサンプルになるのではないかと思いました。

アレンジ賞

アラフォー専門学生!

華学園栄養専門学校 管理栄養士科 4年

はす蒸し(石川県)

59%減塩

COMMENT

㈱NHK出版
「きょうの料理
ビギナーズ」

櫛田名緒編集長

加賀レンコンという石川県の名産の食材を使用した郷土料理を取り上げたことや、被災地への思いを評価する声が審査員の方々から多くあがりました。そして、全員一致で称賛したのがアレンジ力でした。フードプロセッサーや電子レンジを用いて、「はす蒸し」の思い切った合理化にチャレンジし、うま味調味料を多面的に使い減塩に成功していることに、感心いたしました。
皆さんの更なるアレンジ力で、郷土料理と減塩の世界を盛り上げていくことを期待しております。

ノスタルジー賞

COOK MORI

名古屋大学 農学部 応用生命科学科3年
(親子)

とろろ汁(静岡県)

36%減塩

COMMENT

長野県立大学
健康発達学部
食健康学科 教授

中澤 弥子先生

懐かしい味をおいしく減塩され、まさにノスタルジー賞にぴったりの取組みだと思いました。実は長野でも「とろろ汁」は食べるのですが、“静岡は鯖がとれるところだから鯖を入れる”というところが非常に勉強になりました。そして生鯖の水煮缶での代用は、調理の簡略化などの点でグッドアイディアだと思いました。またうま味調味料を加えて芋のおいしさを引き出し、味全体を調和させ、比較的難易度の高いシンプルな料理の減塩を成功させていて、大変素晴らしい取り組みだと思いました。

コンテストの概要

うま味調味料を活用して、郷土料理を減塩でよりおいしく!をテーマに
郷土料理コンテストを開催いたしました。
受賞作品のよりおいしく減塩されたレシピや現代に合わせて作りやすく工夫された調理方法を、
各種メディアや当サイトを通じて発信することで、環境にも体にもやさしく、
かつ作りやすい郷土料理レシピとして伝えて行くことを目指します。
そして、考案された「おいしい減塩のための工夫」が普段の食生活の改善にも活かされるよう、
受賞チームの取組みを発信していきます。

審査員長の総評

第9回「うま味調味料活用!
郷土料理コンテスト」2024
審査員長総評
(公社)日本栄養士会 代表理事会長
中村丁次先生

受賞された皆さん、改めておめでとうございます。皆さんの発表を聞いていて分かったことが一つあります。それは、「郷土料理には、関わった人々の人生がある」ということであります。これが、郷土料理の大きな特徴ではないかと思います。

近年、気候変動が影響を及ぼし持続可能な農業と生活が困難になりつつあります。そして現代社会は、マルチリスク社会、つまり多様なリスクが重なった社会であり、明日があまり見えない中みんな現在を必死で生きている、そんな状況ではないかと思います。このままいけば、2050年には本当に食糧危機が起こって、食糧安全保障が成り立たないのではないかという心配もあります。

実は歴史的に見るとこのような状況になったのは初めてではありません。日本は国土が狭く海に囲まれた南北に細長い島国です。したがって農地面積は小さく四季折々の変化があります。夏の暑さと冬の雪化粧を経験できる国というのは世界では多くありません。この美しい自然は時として我々に恐怖を与えます。食料が不足し、そして私たちは何度もその危機的状況に順応し、適応して生きてきました。そのような中で育まれてきたのが、日本の郷土料理ではないかなと思っております。

最近欧米では郷土料理こそ強靱な食事なのではないかと言われ始めました。強靭というのは揺れ動いても、柳のようにちゃんと生き残る道を見つけるということです。日本に当てはめて考えると、室町と江戸と現代が同じような食事をしてきたわけではなく、その時代の環境変化に我々は順応し現在の郷土料理を形成してきました。今後、食糧危機を乗り越え世界中で人類が生き残る一つの道は、大きな時代の変化の中で生き残った郷土料理を発掘して、それを現代に調整していくことなのではないかと考えられ始めてきているのです。

ただ、郷土料理が全て良いかと言うと必ずしもそうではありません。こういう食事をしていれば、長生きができるよ、将来こんな病気が起こって短命になるよと、というように今の食事と将来の健康について見通せるようになったのは近代科学のおかげです。かつては今日、明日を食べて生きるのに精一杯でした。そんな中で育まれてきた郷土料理ですが、我々が長生きしたいという願いを持ったことによって大きな問題が生じたわけです。それは、このコンテストが掲げている減塩です。日本人の食事は、ほとんどの栄養素のバランスはとれていますが、この減塩だけは難しい。なぜ難しいかというと、最初にお話しした通り、国土が狭く気温の変化が激しい自然環境の中で食料を保存することが難しかったわけです。そこで保存する方法として、我々は塩を選びました。野菜を塩漬けし、お魚を塩漬けし、魚を塩漬けし、そして何カ月も何年も持つようにしたことで、多くの塩を摂ることに繋がったのです。

したがって、私は、「伝統的な郷土料理を発掘し、おいしく減塩をし、現代に合わせて調整していく」このコンテストが持っている主旨を、これからも末永く発展させるべきだと思っております。このうま味を生かした減塩の郷土料理が地域に広がり、郷土料理を軸に地域のコミュニティが活性化され、そして日本が元気になり、皆さんが健康で幸せになることを願って総評にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。

受賞作品の試食の様子と展示

優勝と準優勝の受賞作品の試食を行いました。

今年も多くのメディアの皆様にご取材いただき、沢山の方に、うま味を生かしたおいしい減塩の郷土料理を味わっていただくことができました。減塩とは思えない味わい深いおいしさに、おどろきの声が上がっていました!!

気になる、伝統レシピに対する減塩率は下記の通りです。

優勝
「ひっつみ汁」67%減塩
準優勝
「鯉こく」43%減塩

表彰式の参加者紹介

受賞者

レディーブロッサム様(社会福祉法人秀峰会 特別養護老人ホーム さくら苑)
コイクイーン様(長野県立大学 健康発達学部 食健康学科 調理学ゼミ)
秋田栄養短期大学 田中ゼミナール様
福山の倹約家様(九州大学経済学部 3年(親子))
アラフォー専門学生!様(華学園栄養専門学校 管理栄養士科 4年)
COOK MORI様(名古屋大学 農学部 応用生命科学科3年(親子))

来賓

農林水産省 新事業・食品産業部 食品製造課 課長補佐 春山智紀様
農林水産省 新事業・食品産業部 食品製造課 係長 篠崎歩様
料理研究家 渡辺あきこ様
料理研究家 ほりえさちこ様

審査員

(公社)日本栄養士会 代表理事会長 中村丁次先生
長野県立大学 健康発達学部 食健康学科 教授 中澤弥子先生
東京聖栄大学 健康栄養学部 食品学科 教授 福留奈美先生
東北大学大学院 文学研究科 心理学研究室 教授・うま味研究会 会長 坂井信之先生
女子栄養大学出版部「栄養と料理」 浜岡さおり編集長
㈱NHK出版「きょうの料理ビギナーズ」 櫛田名緒編集長

主催者

日本うま味調味料協会メンバー

コンテストアーカイブ